夏休みが近づいてきました。私の自治体では7月19日(金)に中学校の終業式を迎えます。成績処理を終え、夏の大会に向けて部活動が熱を帯びている時期でもあります。
しかし、一旦一学期の終わりというゴールが見えてきたことで、私を含めて放課後の職員室での会話のトーンも明るくなっています。学期末の風物詩です。もちろん17:00の定時を越えてからのコミュニケーションですよ?私たち教員は服務を宣誓したうえで労働をしておりますので、いたってまじめに勤務をしております。本当ですよ?
私は今年で教員5年目になりますが、「資産形成」が話題に上がることが増えたように感じます。その理由は言わずもがな、2024年1月にスタートした新NISAによるものでしょう。今日は先生たちとの「資産形成」に関わる会話から感じたことを書きたいと思います。
私も資産形成初心者の域を出ませんので偉そうなことは言えませんが、多少は数年間資産形成に向き合ってきた者として、そしてFP資格を持っている者として、同僚の先生方からさまざまな質問をいただくことがあります。その中で何人かの先生から聴かせてもらった質問が、
「NISAを始めたいんだけど、どの銀行に行くのが良いかな?」
です。年配の先生だけでなく、若い先生からも同じ質問を受けました。私からのアドバイスは一択です。
「銀行窓口に行くのはやめて、ネット証券口座を開設しませんか?」
読者の皆様はどう思われるでしょうか?
そう答える理由は主に2つです。
①銀行窓口での契約に比べて、ネット証券口座での契約の方がはるかに手数料が安く済むから。
長期の資産形成において最も削りたいものの一つが「手数料」です。貯金とは差別化を図って、株式の購入で本気で資産形成をするなら、ランニングコストを削減することが鉄則だと考えます。同じ商品を買うのであればなおさらです。
②銀行窓口での契約は、優良な投資商品以外のものを紹介されることもあるから。
ある先生は「指数よりも好成績を目指すことのできる投資商品」を紹介されたそうです。いわゆるアクティブファンドと呼ばれる投資信託でしょう。指数に連動するインデックスファンドと比較して成績を見れば、どちらが良いかは明らかです。もちろん投資スタイルや目的によっても異なりますが…。しかし15年20年といった期間での投資を考えると、インデックスファンドの方が成長を期待できるのは歴史が証明をしているところです。でも銀行員さんから丁寧に説明を受けると、無条件に「良いもの」だと感じてしまうのもうなずけます。それを避ける意味も込めて、銀行窓口に投資のアドバイスを受けに行くことは個人的におすすめをしていません。
学校の先生という立場の人たちにとって自らの資産形成について考えることは、生徒と接する上でもとても大切な視点だと感じています。「キャリア教育」が重視される昨今の教育の中では、「どんな職業に就くか」「卒業後はどんな進路を獲得したいか」「どんな生き方をしたいか」を生徒に考えさせることは多々あります。しかし「どうやってお金を稼いで、自立して生活をするか」ということはあまり触れられません。
それは色んな金銭的な事情を抱える家庭への配慮とも言えます。しかし事実、投資を活用して資産形成を行うことで「金銭的に自立した人生」につながることが多分にあります。私たち教員は、生徒が実社会を生き抜く力をつけることができるよう支援することが仕事です。こうした職員室内での会話を、いずれは生徒ともかわすことができる、それくらい資産形成の意識が国内に浸透していくと良いなと思います。私はそれらを浸透させていく側の人間でありたいなと思います。
1学期も残り2日。生徒にとっても自分にとっても良い締めくくりとなるように、あとひと踏ん張りしたいと思います。