※この記事は金融教育を目的に書かれたものであり、案件や特定の商品の購入を促すものではありません。

今回から、「読まなくても分かる」シリーズをはじめます。これは、学校の先生が本気で中学生に伝えたいと思った“お金の考え方”を、本の要約ではなく、実生活でどう活かすかという視点で紹介するシリーズです。
紹介するのは、実際に僕が読んで「中学生でも絶対に知っておいて損はない!」と思った本ばかり。さらに、保護者の方が家庭で子どもと一緒に実践できるようなヒントもセットで紹介していきます。
第1回目は、お金の原則を物語で楽しく学べる『漫画バビロン大富豪の教え』。では、さっそくいこう!
『漫画バビロン大富豪の教え』原作:ジョージ・S・クレイソン/漫画:坂野旭/企画・脚本:大橋弘祐2019年、文響社 より引用
どんな本?ー『漫画バビロン大富豪の教え』概要
この本は、紀元前のバビロンという街を舞台に、貧しい少年がどうやってお金持ちになっていったのか、その知恵を物語形式で描いた漫画です。
お金儲けのテクニックではなく、「お金持ちになるための普遍的な原則」がストーリーの中で語られているところがポイント。
特に有名なのが「黄金に愛される7つの道具」。これがこの本の最重要ポイント。
黄金に愛される7つの道具
- 収入の十分の一を貯金せよ
- 欲望に優先順位をつけよ
- 蓄えた金に働かせよ
- 危険や天敵から金を死守せよ
- より良きところに住め
- 今日から未来の生活に備えよ
- 自分こそを最大の資本にせよ
明日から実践できる、本のエッセンス
「1. 収入の十分の一を貯金せよ」
毎月3000円のお小遣いをもらったなら、300円だけでいい。「たったそれだけでお金持ちになれるのか?」と思うかもしれない。でも大切なのは“使わずにとっておく”という習慣。塵を積もらせて、最初の資本をつくることが大切。
「3. 蓄えた金に働かせよ」
貯金だけでお金持ちになった人はいない。「自分が労働をして稼ぐ」以外のお金を増やす方法を習得し唐。もし保護者の人がOKなら、一緒にNISAや株式投資について話してみることをおすすめする。自分のお金が社会の中でどう働いていくかを学ぶきっかけになるよ。
「7. 自分こそを最大の資本にせよ」
中学生が身につけるべきは「勉強する習慣」。「なぜ将来使わない公式を学ぶのか」の答えはここにある。テストの点がどうこうよりも、毎日コツコツ積み上げる力が、将来の“自分への投資”になるんだ。自分こそが将来のお金を生み出す最重要資本。
保護者のみなさんへー家庭での実践案
①少額でも良いので、毎月一定額をお子様に渡しましょう。
→毎月渡すことで、資産管理の見通しを持てるようになります。できれば現金が好ましいです。
②契約書を書き、お小遣いの1割を貯蓄することを約束させましょう。
→難しい場合は、保護者の方があらかじめ「天引き」してもかまいません。
③残りの9割のうち、可能な範囲でNISA口座を用いた投資信託もしくは、応援したい企業への個別株投資を行いましょう。
→「貯蓄」「労働」以外の方法でお金を貯える感覚が身につきます。
④月1回程度、投資したお金や貯蓄をお子様と一緒に確認しましょう。
→資産管理や家計管理の習慣が身につきます。また資産が増える過程を一緒に確認することで、成功体験を積み、自己肯定感を高めることにつながります。
※その他、「お小遣い帳」の記録などは、各ご家庭の状況に応じて行いましょう。あくまでお子様が無理なく継続できる(長期投資の感覚を養う)ことが大切です。
※学習(=自分という資本への投資)の習慣を身につける観点から、「テストで良い点を取ったからお小遣いUP」などの方法は、個人的にはおすすめしません。
中学生のあなたへ
今日から新シリーズが始動しました。しかし正直なところ、僕が「【読まなくても分かる】教室に置きたいお金の本」で伝えたいことは、すべて『漫画バビロン大富豪の教え』に詰まっていると言っても過言ではありません。
「お金を生み出す方法」に加えて、「幸せに生きる方法」についた書いたこの本には、古代から続く人類にとっての普遍で不変の原理が紹介されています。
僕が金融教育を通して伝えたい想いの素地は、この本から得ました。つまりは僕にとってのバイブルの一つです。
【読まなくても分かる】というタイトルとは大きく矛盾しますが、中学生のあなたにとっては一度読んで損のない本に違いありません。ぜひ一度手に取ってみてはどうでしょうか。
↓「学校では教わらないお金の話」シリーズは、こちらをチェック↓
学校で「お金」を教えない本当の理由。先生だからこそ言える3つの真実【3分で読める】学校では教わらないお金の話 VOL.0
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